著作権って何?②「著作権とは」

こんにちは。どんぺりーです。

前回から始まった「著作権ってなんぞや」シリーズ第二弾です。今回は著作権って具体的にはどんな権利なの?ってのを簡単に紹介していこうと思います。

今回の進行▼

Ⅰ、著作権とは

Ⅱ、複製権

Ⅲ、上演権、演奏権、口述権

Ⅳ、公衆送信権

Ⅴ、譲渡権

Ⅵ、翻訳権、翻案権

Ⅶ、著作権の利用

Ⅷ、存続期間

それでは本編行ってみYO!!

 

Ⅰ、著作権とは

 前回、知的財産権について所有権と比較して説明をしました。所有権は「所有者は、その所有物について自由に使用したり処分したりしていいよ!」という内容の権利でした。しかし所有権は有体物にしか適用されないので、無体物である知的財産にそれと似たような権利を認めようと設けられたものが知的財産法というわけでした。

 このことから知的財産権の一つである著作権は、著作権者にその著作物について自由に使用(=複製とかネットへのアップロードとか)していいよ!という内容の権利ということができます。ただ有体物と無体物ではその性質が大きく異なる(また知的財産もその態様によって性質が大きく異なる)ので、それぞれの法律(特許法とか著作権法とか)で権利の具体的な内容が細かく決められています。著作権法には具体的な権利内容として、複製権、上演権、演奏権、口述権、上映権、公衆送信権、公の伝達権、展示権、頒布権、譲渡権、貸与権、翻訳権、翻案権、二次的著作物に係る原著作者の権利が定められています。以下、重要なものについて紹介していきます。

 

Ⅱ、複製権

第二十一条 著作者は、その著作物を複製する権利を専有する。

 著作者は、自らの著作物を有形的に再製(例:印刷、コピー、録音、録画)する権利を独占する、と定めるものです。なお完全に同一でなくても、実質的に同一であれば「複製」とみなします(例えば録音の過程でちょっと音割れしちゃったとか)。

 では、偶然にも(実質的に)同一の著作物ができてしまった場合、著作権侵害になるのでしょうか。これに関して最高裁は「既存の著作物に依拠して再製されたものでないときは、その複製をしたことにはあたらず、著作権侵害の問題を生ずる余地はない」(ワン・レイニー・ナイト・イン・トーキョー事件・最判S53・9・7(百選52))と判断しています。つまり、偶然の暗合で同一の著作物ができてしまった場合は、著作権侵害にならないのです。

 

Ⅲ、上演権、演奏権、口述権

第二十二条 著作者は、その著作物を、公衆に直接見せ又は聞かせることを目的として(以下「公に」という。)上演し、又は演奏する権利を専有する。

第二十四条 著作者は、その言語の著作物を公に口述する権利を専有する。

 公衆に視聴させる目的での上演、演奏、口述に関する権利です。ここで問題になるのは「公衆」について。学説では「不特定の者又は特定多数の者」のことをいうとされており、一般的な意味とは少し異なります。なお、目前に人がいなくても、公衆に開かれた場所での上演・演奏・口述(例:駅前での路上ライブ)は「公衆」の要件を満たします。最近ではJASRACヤマハに対して音楽著作権使用料を求めた事案で、この公衆要件が論点の一つに挙がっていました。

 ちなみに演奏とは演奏・歌唱のことをいい、上演とは演奏以外の方法により著作物を演ずること(例:演劇)を言います。このふたつはCDやDVDの再生行為にも及びます。他方の口述権は、人間の口による口述を想定しているため、音声合成ソフトによる朗読(例:音声読み上げソフト「ゆっくり」による朗読)は口述権ではなく、上演権の侵害の問題になります。

 

Ⅳ、公衆送信権

第二十三条 著作者は、その著作物について、公衆送信(自動公衆送信の場合にあつては、送信可能化を含む。)を行う権利を専有する。

 公衆により直接受信されることを目的に、著作物を通信により送信する権利のことを言います。自動公衆送信の場合は送信可能な状況におくことだけでも、この権利に抵触します。分かりにくいと思うので具体例で考えてみましょう。

ex1. Twitterでリプライを送る際にTV番組のキャプチャ画像を使用する行為

 よくTwitterのリプライのやり取りの中でTV番組の一コマを用いる姿が見られますが、あれが公衆送信権の侵害です。

ex2. ゲームソフトの海賊版データをネットにアップロードし、サイト訪問者がダウンロードボタンを押せばダウンロード可能な状態にする行為

 これが自動公衆送信のパターンです。相手がボタンを押せば、こちらから何かしら操作をすることなくデータが送信されますよね。この場合は送信可能な状態に置くだけで(実際に受信されたか否かに関わらず)公衆送信権侵害になります。

 

Ⅴ、譲渡権

第二十六条の二 著作者は、その著作物(映画の著作物を除く。以下この条において同じ。)をその原作品又は複製物(映画の著作物において複製されている著作物にあつては、当該映画の著作物の複製物を除く。以下この条において同じ。)の譲渡により公衆に提供する権利を専有する。

 映画の著作物(次回で説明)以外の著作物の原作品(一点物の絵画とか)・複製物(CDとか)を公衆に譲渡する権利のことです(映画の著作物の場合は「頒布権」という別の権利になります)。こちらも例で考えてみましょう。

ex3. 有名画家Aが描いた絵を、Aの師であるXがAに無断でYに売ってしまった場合

 Aは自らの作品について譲渡権を有するので、Xの販売行為はAの譲渡権侵害にあたります。

ex4. ex3において、A→Xへの譲渡が適法であった場合、Xの販売行為は譲渡権侵害?

 この場合もAはXに対し譲渡権を主張することができるのでしょうか。結論から言うとできません。1度適法に譲渡されると、Aの譲渡権は消尽します。譲渡権が消尽しないと著作者が二重に利得を得てしまったり、円滑な取引が阻害され著作物が世に広まらなくなるなどのよろしくない状況が生み出されてしまうためです。

 

Ⅵ、翻訳権、翻案権

第二十七条 著作者は、その著作物を翻訳し、編曲し、若しくは変形し、又は脚色し、映画化し、その他翻案する権利を専有する。

 著作物を翻訳したり、編曲したりする権利のことです。翻案とは「既存の著作物に依拠し、かつ、その表現上の本質的な特徴の同一性を維持しつつ、」「既存の著作物の表現上の本質的な特徴を直接感得することのできる別の著作物を創作する行為」のことを言います(江差追分事件・最判H13・6・28(百選53))。この定義(江差追分事件は言語の著作物に関するものですが、他の著作物についてもある程度妥当するでしょう)から同人誌やコスプレにもこの権利が関係してきます。

 (少し話は逸れますが、)コミケ等では多くの同人誌、同人音楽が売られています。それらの中には、既存の作品を基に作られているものも多くあります。それらは正直なところ翻案権(あるいは複製権)を主張されると著作権侵害に伴う責任を負う(損害賠償とか)ことになります。しかしこうした場から将来のクリエイターが現れたりすることも考慮し、多くは「黙認」されています。ですが、全ての著作者が「黙認」を貫くわけではないということは頭の片隅に置いておくべきでしょう。

 

Ⅶ、著作権の利用

 著作権財産権の一種なので、他者に譲渡することができます。また、賃貸借に似た利用許諾という制度(厳密にいうと制度ではない)もあります。例えばバンプレストタイトーがサンリオキャラのグッズを作る場合などがこれにあたります。

 

Ⅷ、存続期間

 著作権は永久に続く権利ではありません。著作権はその著作物の創作の時点から始まり、著作者の死後50年(TPP発効後は70年になります)まで、と存続期間が定められています。まあバッハとかの作品にまだ著作権がある!とかなったら誰が権利を持っているのかが分かりにくく、結果著作物を利用できない!ってことになりかねませんので。

 ちなみに映画の著作物は公開から70年後まで、法人著作(会社名義の著作物など)は公開から50年後まで、といったような例外規定もあります。

 

Ⅸ、まとめ

 といった感じで、ざっくりではありますが著作権ってどんな権利なんだ?ってのがお分かりいただけたでしょうか。まあ、めんどくさいものですよね。ただどういうことはしていい/しちゃダメってのを知っているだけでもだいぶ違うので、興味が湧いた方はぜひ、今回スルーしたものについても調べてみてください。ではまた次回。