いわゆる「スクショ違法化」とは

こんにちは、推しの野球選手は大山悠輔、望月惇志、才木浩人のどんぺりーです。阪神絶対優勝しような。

さて、本日は先日大きな話題を呼んだ違法ダウンロード対象範囲拡大(ネットでは「スクショ違法化」として話題になっていました。)について、どのような内容なのかをごくごく簡単にご紹介していきたいと思います。簡単に、なので一部厳密性を欠く記述もあるかもしれません。ご了承ください。

 

1、そもそも現行法はどうなってんの?

著作権法は「著作物」を作った「著作者」に、その著作物をコントロールできる権利である「著作権」を与えることを定めた法律で、著作権者は他者が勝手に著作物をコピーしたり、改変したりする行為に対し差止請求や損害賠償請求を行うことができます。しかし、なんでもかんでも著作権を行使できるわけではなく、一定の要件の下では著作権が制限(=行使できない)されます。その代表的なものが30条1項の「私的使用のための複製」です。

 

第三十条 著作権の目的となつている著作物…は、個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること(以下「私的使用」という。)を目的とするときは、次に掲げる場合を除き、その使用する者が複製することができる。

 

これは個人的又は家庭内という閉鎖的な領域における複製(=著作権を侵害する行為)は著作権者への経済的打撃が少なく、侵害が軽微であることから「個人的に使う目的で複製(コピー、ダウンロード)するのはOK」と認めたものです。

しかし、技術の発達により私的使用目的の複製であっても、著作権者に与える経済的打撃・侵害の程度が「軽微」とは言えない態様のものが出てきました。その一つが「違法にアップロードされた映画や音楽をダウンロードする行為」です。このダウンロード行為が「私的使用のための複製」と認められてしまうと、映画や音楽を作った著作権者は自らの著作物から利益を得られず、著作権法が第1条で法目的として掲げる「文化の発展」が実現されなくなります。そこで平成21年改正で、違法にアップロードされた「デジタル方式の録音・録画」について「その事実を知っている場合」に、その著作物をダウンロードする行為には30条を適用しない(=差止請求や損害賠償請求の対象とする)こととし、さらに平成24年改正では、被害の深刻化を踏まえこれに刑事罰を設けました。

長々と話しましたが、現行著作権法では、違法にアップロードされた「デジタル方式の録音・録画」について「その事実を知っている場合」に、その著作物をダウンロードする行為は、刑事罰著作権法119条3項。懲役2年以下、罰金200万円以下、またはこれを併科。)の対象になるのです。映画を見に行った際に「映画泥棒」のCMが流れますが、そのCMの最後の方に「違法にアップロードされた映画を違法と知ってダウンロードする行為も犯罪です」と流れますよね。あれがこれです。

 

2、なんで拡大するの?

ではなぜ今回「スクショ違法化」、つまり静止画等々も違法にしようとしているのでしょうか。

文化審議会著作権分科会法制・基本問題小委員会の資料によると、「海賊版による被害が顕著であった音楽・映像の分野に加え、漫画等に関して、巨大海賊版サイトに多くのインターネットユーザーのアクセスが集中し、順調に拡大しつつあった電子コミック市場の売上げが激減するなど、権利者の利益が著しく損なわれる事態となって」おり、こうした状況への対策が求められたことが検討の経緯として述べられています。

現行法では119条3項の範囲が「デジタル方式の録音・録画」、つまり音楽や映画、アニメ、ゲームなどに限られており、漫画や雑誌、絵画、写真、プログラム等にはこの規定が適用されません。しかし、現状は上述の通り、この規定が適用されない著作物についても被害が深刻化しており、看過できない状態になっています。そこで、この「デジタル方式の録音・録画」という限定を外し、対象範囲を拡大すべきではないかという議論が始まったわけです。

 

補論、スクショの法的位置

文化審議会著作権分科会法制・基本問題小委員会資料は、「ダウンロード」を「デジタル方式の複製」としています。スクショは画面を写真データとして固定し、再製する「デジタル方式の複製」と言え、したがってここで問題となっている「ダウンロード違法化」と関わってきます。

 

3、改正されたらどう変わんの?

(1)対象著作物の範囲

文化審議会著作権分科会法制・基本問題小委員会資料は「録音・録画と同様の要件の下、対象範囲を著作物全般に拡大(対象行為を複製全般に拡大)していくことが有力な選択肢となるものと考えられる。」としていることから、対象著作物はあらゆる著作物となるでしょう。

ただ、現行の「有償著作物等」の要件は維持されそうです(「有償」の定義も曖昧ですが…)。

(2)要件

こちらも「録音・録画と同様の要件」とするのが有力とされていますが、文化審議会著作権分科会法制・基本問題小委員会では他にも「海賊版サイトやP2PからのDLに限定する」、「権利者の利益を不当に害しない場合を違法化の対象から除外する」、「反復継続して行う場合に限定する」などの案が出されています。これら複数案を参考に、今後文化庁で詳細な要件が決められるとのこと。つまりは「まだ詳細には決まってへん」ってことです。

(3)結局

結局は「あらゆる(有償の)著作物について、違法にアップロードされたものを、『違法にアップロードされたもの』と知ってダウンロード(スクショやコピペも含む)する行為を刑事罰の対象にします。でもまだ『違法にアップロードされたものと知って』の部分はより限定される(=国民の自由の範囲が拡大される)かもしれません」ってことになります。

 

4、最後に

(1)個人的な意見

ぼくはこの対象著作物の範囲拡大には賛成です。やはり著作権者への損害、多くの著作物が生み出されることによる文化の発展は軽視されるべきでないでしょう。

ただ、要件の部分についてはもう少し練るべきではないかと思います。デジタル方式の録音・録画と同様の要件、つまり「違法にアップロードされたものと知ってダウンロードする行為」を漫画や美術の著作物にも適用してしまった場合、SNSやブログの画面をスクショしたり、著作権者に与える経済的打撃が僅かであると思われる目的のためのダウンロード(コラ画像含む)も刑事罰の対象となってしまい、インターネットユーザーの活動を萎縮させてしまいかねません。上述の30条1項の趣旨と比較してみても不均衡ですし。したがって、DLの目的や量(程度)、生じる損害の程度、常習性など、様々な事情を考慮して、権利者に与える影響が看過できないものに限って処罰の対象とすることが望ましいのではないかと思います。

(2)結語

この改正に向けた動きは海賊版サイトなどの台頭により始まったものです。言ってみればユーザーが海賊版サイトを訪問し、甘い汁を吸ったがゆえに自らの首を絞めたようなものです。これを機に一度「知的財産に対するモラル」を見直してみるといいのではないでしょうか。

まあ軽微な利用とかパロディ使用とかは許してやったらどうやって思うんですけど。

 

*参考

文化審議会著作権分科会法制・基本問題小委員会報告書(案)

 

以上

人類よ、BLACKNAZARENEを聞け

こんにちは、ブログを継続することが苦手です。どんぺりーです。

こんなハンネの割にドンペリはまだ飲んでません。橋本環奈に先を越されました。

 

そんなことはどうでもいいんですが、最近はちゃめちゃに推してるアイドルグループを紹介させてほしい。

 

1、BLACKNAZARENEとは?

BLACKNAZARENE(ブラックナザレ、通称「ナザレ」)は南向いずみ、村田実果子、清乃希子、冬野あゐく、戸田ころね により構成されるアイドルグループ、プロデューサーは「宗教法人マラヤ」の美月リカ

とりあえず

ビジュアルレベルが高い

見てこれ

やばない?

やばい。初めて生で見たとき囲みチェキ撮ろうかと思ったもん。やってなかったけど。

 

2、楽曲も良すぎる 

とりあえず見て。

https://www.youtube.com/watch?v=qTUO5qcFeTI

楽曲としては↑みたいなロックが中心。WACK系アイドルとか好きな人には特に強くオススメ。

そして歌詞が強い。特にBLACK SUPERNOVA。

壁にぶちあたったときに背中を押されるような、なんでか分からないけど感情を揺さぶられるような、すごくエモい詞曲なんですよね。「エモい」って言葉、ボキャ貧みたいであんまり使いたくないんですけどエモいもんはエモい。

美月さんもこう仰ってます。

アイドルにありがちな「超前向きポジティブポップソング」とか「片思い甘酸っぱ恋愛ソング〜〜〜♡」とは対照的ながらも、訴えかけてくる力がとても強くて勢いがあり、パフォーマンスも非常に良い本当に魅力溢れるグループです。

とりあえず百聞は一見に如かずって言うし、Apple MusicとかLINE MUSIC等でストリーミング配信してるから聞いて。

注目アイドルで打線組むなら間違いなく4番です。成績出なくても高橋由伸前監督が岡本和真を我慢して使い続けたように4番に置き続けます。何の話や。

 

3、メンバー

(1)南向いずみ

「なさき」いずみさん。さすがに読めへん。

歌唱力の鬼でナザレの中でも歌割りが一番多い。多分。

ライブ中のクールさとは対照的に、特典会のときとかはすごく楽しい方です。コミュ障のぼくが言うんだから間違いねえ。

個人的にはこの顔が好き。

 

(2)村田実果子 

まず顔がすごく綺麗。そして声も綺麗。サビを担当してる「いばらの冠」は必聴、パフォーマンスもいいからライブも見て。

読モ(?)とかやってらしたみたいで女性のファンもとても多いです。全然知らなかったなんて言えない。

名前似てるから一瞬自分のことかと思ったよね(何の話やねん)。

 

(3)清乃希子

きこまる水産。歌声がとてもよきまる水産。

「7/7」作詞まる水産。言葉遣い才能ありまる水産。

ユーモアありまる水産。

 

(4)冬野あゐく

見た目めっちゃヤンキーやん。ぼくヤンキーめっちゃ怖いんで最初ヒエ〜って思ってたんですよ、全然ヤンキーじゃなかったです。いい子です。てかコミュ障らしいです(要出典)、仲間やん。

「ふゆのどうぶつえん」 も兼任。歌上手い、ハモリ上手い、表情豊か、とパフォーマンス力に長けているので気になったらとりあえずライブ行こう。

ヤバ。

 

(5)戸田ころね

笑顔がかわいい(語彙力)。歌上手い、振り付けできる、MCもできる。話してて楽しいし気配りもめっちゃしてくれる。すごく良い子で努力家。

ぼくは戸田を前グループのときから知ってて、ナザレを知ったのも戸田からなんですけど、その頃から変わらずファンのことをよく考えてくれてるし、何よりライブ中すごく楽しそうですごく元気をもらえます。なんていうか、幸せになってほしい。うん。

サビのほとんどを彼女が担当してる「叛逆starmine」、ぜひ聞いてください。

 

4、とりあえず

ライブを見てほしい。ぼくも非関東民なので数えるほどしかライブ行けてないけど、それでも言わせてほしい。ライブに行こう。

確かに曲は家でも聞けるし、メンバーもTwitterやってるし、YouTubeにちょっとやけど動画上がってるし、それでええやんって思うかもしれんけど、ナザレの本当の良さはライブにあると思います。マジで。こないだ名古屋でライブ見終わった後「めっちゃ楽しかった」って思うと同時に「これは売れるわ」って思ったくらいやもん。お世辞抜きで。

んで3/26まではご新規さん招待キャンペーン的なのやってて、ナザレのオタクっぽい人に声かければチェキタダになります。今がチャンスやで。

そして3/26には新宿BLAZEでワンマンがあります。ワイ就活真っ只中やけど行くから。第一志望の企業に面接入れられてもナザレ優先するから。ごめんやっぱりそれは迷う。でも8:2くらいで行く。多分。「行くか迷うな〜」とか思ってる方もせっかくやし行こう。行かぬ後悔より行って後悔やで。多分後悔せんけど。

てな訳でとりあえず人類のあなた、別に人類やなくてもこの際ええわ。

BLACKNAZARENEを聞いてください。んでライブいきましょう。

以上!ほな明日労基法ガン無視長時間バイトなので寝ます! 

天才か?って思った話

こんにちは、どんぺりーです。酔ってます。

 

突然ですけど、ゲーム理論ってあるじゃないですか。あの囚人のジレンマとかのやつ。政治学とか経済学やったことある人ならおなじみのやつ。(知らない人はテキトーに検索するか「へー」って流して)

あれを恋愛関係に応用することができるらしくて、囚人のジレンマでいう「協力」と「裏切り」をそれぞれ「相手に従う」「相手に要求する」に置き換えて考えたらいい感じになるかもとかならないかもとか。

で、ナッシュ均衡は(裏切り、裏切り)になるわけですけど、(裏切り、協力)になると(逆も可)、裏切りを選んだ人の利得が大きくなってその分効用も高くなると考えられますよね。とすると、「気になる相手がいる!でもどうアプローチしたらいいのかわからない!」って場合、とりあえず相手が望む通りに行動するんです。それこそパシられたり、財布になったり、サンドバッグになったり。そしたら相手の効用は高くなりますよね。そうすると他の男≦自分といった選好を相手は示すと考えられるので、割と交際関係に持っていける可能性は高まると考えられます。そうなれば後はこっちのもん、(裏切り、裏切り)にチェンジすればお互いの効用のトレードオフが取れていい感じになるんじゃないかって今日思いつきました。まあそうやって作られた関係が長続きするんか知らんし、この理論自体むしろDVをやる人間の心理の研究とかの方がマッチしそうですけど。

まあぼくは陰キャキモオタクなのでそもそも異性と会話すらできないんですけどね。ワロタ。

著作権って何?②「著作権とは」

こんにちは。どんぺりーです。

前回から始まった「著作権ってなんぞや」シリーズ第二弾です。今回は著作権って具体的にはどんな権利なの?ってのを簡単に紹介していこうと思います。

今回の進行▼

Ⅰ、著作権とは

Ⅱ、複製権

Ⅲ、上演権、演奏権、口述権

Ⅳ、公衆送信権

Ⅴ、譲渡権

Ⅵ、翻訳権、翻案権

Ⅶ、著作権の利用

Ⅷ、存続期間

それでは本編行ってみYO!!

 

Ⅰ、著作権とは

 前回、知的財産権について所有権と比較して説明をしました。所有権は「所有者は、その所有物について自由に使用したり処分したりしていいよ!」という内容の権利でした。しかし所有権は有体物にしか適用されないので、無体物である知的財産にそれと似たような権利を認めようと設けられたものが知的財産法というわけでした。

 このことから知的財産権の一つである著作権は、著作権者にその著作物について自由に使用(=複製とかネットへのアップロードとか)していいよ!という内容の権利ということができます。ただ有体物と無体物ではその性質が大きく異なる(また知的財産もその態様によって性質が大きく異なる)ので、それぞれの法律(特許法とか著作権法とか)で権利の具体的な内容が細かく決められています。著作権法には具体的な権利内容として、複製権、上演権、演奏権、口述権、上映権、公衆送信権、公の伝達権、展示権、頒布権、譲渡権、貸与権、翻訳権、翻案権、二次的著作物に係る原著作者の権利が定められています。以下、重要なものについて紹介していきます。

 

Ⅱ、複製権

第二十一条 著作者は、その著作物を複製する権利を専有する。

 著作者は、自らの著作物を有形的に再製(例:印刷、コピー、録音、録画)する権利を独占する、と定めるものです。なお完全に同一でなくても、実質的に同一であれば「複製」とみなします(例えば録音の過程でちょっと音割れしちゃったとか)。

 では、偶然にも(実質的に)同一の著作物ができてしまった場合、著作権侵害になるのでしょうか。これに関して最高裁は「既存の著作物に依拠して再製されたものでないときは、その複製をしたことにはあたらず、著作権侵害の問題を生ずる余地はない」(ワン・レイニー・ナイト・イン・トーキョー事件・最判S53・9・7(百選52))と判断しています。つまり、偶然の暗合で同一の著作物ができてしまった場合は、著作権侵害にならないのです。

 

Ⅲ、上演権、演奏権、口述権

第二十二条 著作者は、その著作物を、公衆に直接見せ又は聞かせることを目的として(以下「公に」という。)上演し、又は演奏する権利を専有する。

第二十四条 著作者は、その言語の著作物を公に口述する権利を専有する。

 公衆に視聴させる目的での上演、演奏、口述に関する権利です。ここで問題になるのは「公衆」について。学説では「不特定の者又は特定多数の者」のことをいうとされており、一般的な意味とは少し異なります。なお、目前に人がいなくても、公衆に開かれた場所での上演・演奏・口述(例:駅前での路上ライブ)は「公衆」の要件を満たします。最近ではJASRACヤマハに対して音楽著作権使用料を求めた事案で、この公衆要件が論点の一つに挙がっていました。

 ちなみに演奏とは演奏・歌唱のことをいい、上演とは演奏以外の方法により著作物を演ずること(例:演劇)を言います。このふたつはCDやDVDの再生行為にも及びます。他方の口述権は、人間の口による口述を想定しているため、音声合成ソフトによる朗読(例:音声読み上げソフト「ゆっくり」による朗読)は口述権ではなく、上演権の侵害の問題になります。

 

Ⅳ、公衆送信権

第二十三条 著作者は、その著作物について、公衆送信(自動公衆送信の場合にあつては、送信可能化を含む。)を行う権利を専有する。

 公衆により直接受信されることを目的に、著作物を通信により送信する権利のことを言います。自動公衆送信の場合は送信可能な状況におくことだけでも、この権利に抵触します。分かりにくいと思うので具体例で考えてみましょう。

ex1. Twitterでリプライを送る際にTV番組のキャプチャ画像を使用する行為

 よくTwitterのリプライのやり取りの中でTV番組の一コマを用いる姿が見られますが、あれが公衆送信権の侵害です。

ex2. ゲームソフトの海賊版データをネットにアップロードし、サイト訪問者がダウンロードボタンを押せばダウンロード可能な状態にする行為

 これが自動公衆送信のパターンです。相手がボタンを押せば、こちらから何かしら操作をすることなくデータが送信されますよね。この場合は送信可能な状態に置くだけで(実際に受信されたか否かに関わらず)公衆送信権侵害になります。

 

Ⅴ、譲渡権

第二十六条の二 著作者は、その著作物(映画の著作物を除く。以下この条において同じ。)をその原作品又は複製物(映画の著作物において複製されている著作物にあつては、当該映画の著作物の複製物を除く。以下この条において同じ。)の譲渡により公衆に提供する権利を専有する。

 映画の著作物(次回で説明)以外の著作物の原作品(一点物の絵画とか)・複製物(CDとか)を公衆に譲渡する権利のことです(映画の著作物の場合は「頒布権」という別の権利になります)。こちらも例で考えてみましょう。

ex3. 有名画家Aが描いた絵を、Aの師であるXがAに無断でYに売ってしまった場合

 Aは自らの作品について譲渡権を有するので、Xの販売行為はAの譲渡権侵害にあたります。

ex4. ex3において、A→Xへの譲渡が適法であった場合、Xの販売行為は譲渡権侵害?

 この場合もAはXに対し譲渡権を主張することができるのでしょうか。結論から言うとできません。1度適法に譲渡されると、Aの譲渡権は消尽します。譲渡権が消尽しないと著作者が二重に利得を得てしまったり、円滑な取引が阻害され著作物が世に広まらなくなるなどのよろしくない状況が生み出されてしまうためです。

 

Ⅵ、翻訳権、翻案権

第二十七条 著作者は、その著作物を翻訳し、編曲し、若しくは変形し、又は脚色し、映画化し、その他翻案する権利を専有する。

 著作物を翻訳したり、編曲したりする権利のことです。翻案とは「既存の著作物に依拠し、かつ、その表現上の本質的な特徴の同一性を維持しつつ、」「既存の著作物の表現上の本質的な特徴を直接感得することのできる別の著作物を創作する行為」のことを言います(江差追分事件・最判H13・6・28(百選53))。この定義(江差追分事件は言語の著作物に関するものですが、他の著作物についてもある程度妥当するでしょう)から同人誌やコスプレにもこの権利が関係してきます。

 (少し話は逸れますが、)コミケ等では多くの同人誌、同人音楽が売られています。それらの中には、既存の作品を基に作られているものも多くあります。それらは正直なところ翻案権(あるいは複製権)を主張されると著作権侵害に伴う責任を負う(損害賠償とか)ことになります。しかしこうした場から将来のクリエイターが現れたりすることも考慮し、多くは「黙認」されています。ですが、全ての著作者が「黙認」を貫くわけではないということは頭の片隅に置いておくべきでしょう。

 

Ⅶ、著作権の利用

 著作権財産権の一種なので、他者に譲渡することができます。また、賃貸借に似た利用許諾という制度(厳密にいうと制度ではない)もあります。例えばバンプレストタイトーがサンリオキャラのグッズを作る場合などがこれにあたります。

 

Ⅷ、存続期間

 著作権は永久に続く権利ではありません。著作権はその著作物の創作の時点から始まり、著作者の死後50年(TPP発効後は70年になります)まで、と存続期間が定められています。まあバッハとかの作品にまだ著作権がある!とかなったら誰が権利を持っているのかが分かりにくく、結果著作物を利用できない!ってことになりかねませんので。

 ちなみに映画の著作物は公開から70年後まで、法人著作(会社名義の著作物など)は公開から50年後まで、といったような例外規定もあります。

 

Ⅸ、まとめ

 といった感じで、ざっくりではありますが著作権ってどんな権利なんだ?ってのがお分かりいただけたでしょうか。まあ、めんどくさいものですよね。ただどういうことはしていい/しちゃダメってのを知っているだけでもだいぶ違うので、興味が湧いた方はぜひ、今回スルーしたものについても調べてみてください。ではまた次回。

著作権って何?①「知的財産法の中の著作権法」

こんにちは、ブログはお久しぶりです。どんぺりーです。

最近大学で勉強会(自主ゼミ?)を始めたんですが、その内容を参加者を増やすためにもブログでも公開していこうと思います。内容は勉強会の第1回で紹介した「著作権制度」について。今回からチャプター毎に少しずつ公開していく予定です。頓挫したらごめん。

進行予定▼

①知的財産法の中の著作権法

著作権とは?

③著作物とは?

著作権は誰が持つ?

著作権は無敵?〜著作権制限規定について〜

今回は①知的財産法の中の著作権法 です。それでは早速本編行ってみよう!

 

Ⅰ、知的財産法とは

 我々は普段自分の所有物(今手に持っているスマホとか、パソコンとか、おうちとかを考えてください)を使用し、いらなくなったら売ったり捨てたり、そういった行為を自由にしていますよね。それは民法で規定されている所有権が所有者に認められているからできる行為なんです。所有権とは、ただ所有者に「これはあなたのものだよ」と認めるだけでなく、その所有物について自由に使用したり処分したりできる権利のことを言います。

 ですが民法が保護対象としているもの(つまり、所有物たり得るもの)は物(民法85条より有体物に限定)・不動産だけです。つまり情報や音楽といった無体物は民法では保護されないことになるのです。しかも無体物は形がなく「誰が持ち主か」が分かりにくく、さらにコピーが容易なものでもあります。以下音楽を例に考えてみましょう。音楽に所有権(のような権利)を認めないとすると、音楽は無制限にコピーされ世に広まってしまい、その音楽を作った人が作曲等に費やした時間や資金、労力の見返りが受けられず、インセンティブが失われてしまいます。インセンティブが失われればその人は音楽を作るのをやめてしまうでしょう。だって売れねえもん。すると日本では音楽が作られなくなって文化が崩壊してしまいます。これは避けなければ。ということで、財産的価値のある情報である「知的財産」について所有権みたいな権利を付与することを目的に特許法著作権法、意匠法、商標法などが作られました。「知的財産法」とはこうした法律の総称のことを言います。

 

Ⅱ、著作権法の趣旨

 Ⅰの話と少し被りますが、著作権法の趣旨について少しだけ述べておきます。著作権法は1条に法目的が記されています。

第一条 この法律は、著作物並びに実演、レコード、放送及び有線放送に関し著作者の権利及びこれに隣接する権利を定め、これらの文化的所産の公正な利用に留意しつつ、著作者等の権利の保護を図り、もつて文化の発展に寄与することを目的とする。

 噛み砕いて説明すると、

著作物に権利付与・公正な利用により著作者の権利保護→文化を発展させよう!

みたいな感じです。著作物が無制限に利用されてしまうと、著作者は創作に対するインセンティブを失い、文化が終焉を迎えてしまいかねないので、権利を与えて公正な利用を促そうとしているのです。

 

Ⅲ、まとめ

 著作権は正直めんどくさいものです。ネットとかやってると特に。ただそれは皆さん(もちろん私も)が日常的に享受している日本の文化的資産を失わせないために存在しているものです。こうした側面を知るだけでも、見方は変わってくると思います。次回以降、細かい内容に触れていくことにしますが、今回紹介した「なんで著作権ってあるん?」ってのを頭の片隅に置いておいていただけると理解が進むと思います。では今回は以上。

著作物の引用について

こんにちは、どんぺりちゃんです。

今回は質問をいただきましたので、著作物の引用について書いていこうと思います。

 

1、著作権法上の「引用」の立ち位置

多くの方は漫画を読んでいて、歌の歌詞が引用されているのを見たことがあると思います。例えば週間少年ジャンプで連載されていた「SKET DANCE」では、主人公たちがバンドを組んで曲を披露する場面で、the pillowsのfunny bunnyの歌詞が引用されていました。ジャンプコミックスを見てみると、その場面のコマ外にはJASRACに使用料を払った旨の記載があります。また、ジャンプ冊子においては「JASRAC申請中」などといったことが記されていたりします。このように、自分の著作物に他人の著作物を引用する際には使用料を支払う(許可をもらう)ことが必要になります。ですが、著作権法は一定の場合には著作権の効力を制限するよ!といった旨の内容を規定しており、著作権法32条には引用についての規定がされています。つまり「著作権法32条の内容に沿う方法での引用は著作権の侵害にはならない」ということです。以下、細かく32条を見て行きます。

 

2、著作権法32条の趣旨

とりあえずは条文を読んでみましょう。

 

著作権法32条 第1項

公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。

(第2項は省略)

 

まあ条文を読んでもらえばそのまんまなんですが、「公表された著作物」を「公正な慣行に合致する」「報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内」で「引用」することは著作権の侵害にならない、と著作権法は規定しています。

「公正な慣行」については知財高裁の判決で、他人の著作物の「利用の目的のほか、その方法や態様、利用される著作物の種類や性質、当該著作物の著作権者に及ぼす影響の有無・程度などが総合考慮されなければならない」と述べられています(知財高判平成22年10月13日判時2092号135頁)。また、「引用の目的上正当な範囲内であること」についても同じ判決で「社会通念に照らして合理的な範囲内のもの」と言い換えられています。

法律に慣れていない人からすると何を言ってんだって感じだと思いますが、かなり砕いて言えば「既に世の中に出てる著作物を、その利用とか諸々を考えた上で、かつ報道とか批評とか研究とか、常識的に考えて合理的なものへの引用は著作権の侵害にならないよ!」ってことです。あんまり砕けてないな…

 

3、パロディ・モンタージュ事件判決

引用について、最高裁が過去に重要な判決を下していますので見ておきましょう。パロディ・モンタージュ事件の判決(最判昭和55年3月28日民集34巻3号244頁)において最高裁は、「引用にあたるというためには、」「引用して利用する側の著作物と、引用されて利用される側の著作物とを明瞭に区別して認識することができ、かつ、」「前者が主、後者が従の関係があると認められる場合でなければならない」と判示しました。

この事件は旧法下でのものですが、現行法下でも、この「明瞭区別性」「主従関係」を考慮した判決がされています。

したがって、2で見た32条の要件に加え、この2要件も考慮する必要があるでしょう。

 

4、その他の著作権制限規定

著作権が制限される要件として、「報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内」であるものへの引用でなければならないことが規定されていますが、他の著作権制限規定に係る著作権の利用であれば、同様に著作権侵害にはなりません。

例としては、私的利用目的での複製や、教育目的での利用などがあります。これらについての詳細は省略させていただきます。そろそろ眠いんで。

 

5、最後に

まあ皆さんお察しだと思いますが、著作権法って面倒なんですよね。著作権法に関わらず法律全体的にそうなんですけど。ですが前回のJASRACの記事でも少し言及したように、著作者の権利も大事なんです。著作者の権利が守られないと、著作物を生み出す動機が失われて文化が衰退してしまいかねません。なのでそのバランスを考えた結果、こんなことになっています。

ぼく個人の意見としては「文化の発展」が目的なんだからもうちょっと規制を緩くしてもいいんじゃないかと思いますが、多分日本はそういう動きが出てくるとしてもかなり後になると思うんで、あまり期待はしない方がいいかもね。頑張って未来の文化庁官房著作権課のみんな。

 

6、参考文献

茶園成樹編「著作権法〔第2版〕」(2016年、有斐閣

 

JASRACって必要なん?

こにゃにゃちは、どんぺりーです。

 

そういえばぼく法学部だったんで、法学部っぽい記事書きます。まあ「ふーん」程度に思ってもらえればいいです。今回取り上げるのは何かと萌え燃えがちなJASRACさん。最近だと音楽教室に使用料を払え、と主張しネットで叩きに叩かれるも、文化審議会著作権分科会が「使用料取ってもええやろ」とJASRACに肯定的な意見をまとめ議論を呼んでいますね。結構悪い者扱いされがちなJASRACさんですが、ところでこいつ、何者なの?とかそもそもこいつ必要なの?とか多分いろいろ思われる方がいらっしゃると思いますので、かなーりさらっとですがJASRACさんが必要なのか等についてお話したいと思います。

 

1、まずは「著作権」のお話から。

JASRACさんが何をしているのか、一言で言いますと「音楽の著作権の管理」です。なのでとりあえず「著作権」についてある程度分かっておかないとJASRACさんのお仕事も理解しにくいので、著作権の要点だけサラッと触れておきます。

著作権とは言語(本、歌詞、講演…)や音楽、美術等の「著作物」を作った「著作者」に与えられる権利のことを言います。著作権の内容としては「支分権(狭義の著作権)」と「著作者人格権」というものがあり、前者には例えば、著作者以外の人が著作物を無断でコピーしちゃダメ!っていう「複製権」とか、勝手にネットにアップしちゃダメ!っていう「公衆送信権」とかがあります(他にもいろいろあります。例えば翻案権については以前の記事「コスプレと著作権」を参照)。後者については公表権、氏名表示権、同一性保持権(勝手に著作物の内容を改変されない権利)があります。

ではこの「著作権」という制度は何のために作られたのでしょう。その答え、とまでは行きませんが法目的が著作権法第1条に書かれています。少し読んでみましょう。

 

著作権法第1条

この法律は、著作物並びに実演、レコード、放送及び有線放送に関し著作者の権利及びこれに隣接する権利を定め、これらの文化的所産の公正な利用に留意しつつ、著作者等の権利の保護を図り、もつて文化の発展に寄与することを目的とする。

 

分かりますか?多分よくわかんないと思います。まあざっくり言えば「著作物を公正に利用しながら文化を発展させていこうよ!」って感じです。意外かもしれませんが、著作物の自由な使用を制限することで文化を発展させようとしているのが著作権法ってわけです。少し逆説的に思われるかもしれませんが、ちょっと考えてみればまあまあ理解できることで、例えば音楽がコピーし放題、ダウンロードし放題で音楽制作者にお金が入らなかったら誰も音楽業界目指しませんよね。食っていけないもん。で、音楽とか、同じように漫画とかがなくなれば文化もクソもなくなります。クールジャパンとかもないです。こうしたブンカ・ジ・エンドを防ぐため、著作権法が存在するのです。

 

2、で、JASRACとは何なのか

少し前提のお話が長くなってしまいましたが、本題に入っていきましょう。JASRACさんって何者なの?って話です。JASRACこと日本音楽著作権協会(Japanese Society for Rights of Authers, Composers and Publishers)は簡単に言えば(っていうかそのままですが)「めちゃめちゃたくさんの音楽の著作権を一括管理している」団体です。

 

3、JASRACの必要性

JASRACさんがなぜ必要なのか(あるいは、なぜ音楽業界から必要とされているのか)、少し掘って行きたいと思います。音楽制作者や歌手(著作権法の世界では「実演家」と言います)は音楽を作り、例えばそれをゆーちゅーぶとかで発表したり、CDを発売したりして世の中に出すわけです(一応CDとか実演家にも「著作隣接権」ってのが発生したりするんですがめんどくさいので省略します。マジで面倒だから。)。一度音楽が世の中に出ると、それはいろいろな方法で「利用」されます。例えばカラオケで歌われたり、テレビ番組のBGMに使われたり、売れてないバンドにカバーされたり。こうした「著作権に絡む利用」を確認し、利用者から利用料を徴収する、という作業を音楽制作者が逐一やっていられるでしょうか。多分そんなことをしていたら次回作が出ることは永遠にないでしょう。そうした手間のかかる著作権の管理を、音楽制作者たちは「自分たちの代わりに」JASRACにお願いしているのです。こうして見ると(少なくとも私が思うには)JASRACは必要不可欠な組織なんです。

 

4、音楽教室から使用料を巻き上げる徴収するのは妥当か

もう一つ、現在議論を呼んでいる内容についても少し考えてみましょう。JASRACは「音楽教室で見本として歌ったり演奏したりするのは支分権にある『演奏権』に当たるから著作権の利用料を払え!」と主張しています。演奏権についての条文を見てみましょう。

 

著作権法第22条

著作者は、その著作物を、公衆に直接見せ又は聞かせることを目的として(以下「公に」という。)上演し、又は演奏する権利を専有する。

 

要は「著作物を公衆に対して演奏していいのは著作者だけ!(それ以外の人は利用料払ってね♡)」ってことです。この条文を基に「金払え」と言ってきたJASRACに対し、音楽教室側は「条文にある『公衆』は不特定多数のことで、音楽教室にきている生徒は特定できるから『公衆』に当たらない」と主張し、利用料は払わなくていいんだ!としています(詳しくは

JASRACによる音楽教室における著作物の使用料徴収に対し、東京地裁に「音楽教室における著作物使用にかかわる請求権不存在確認訴訟」を提起しました | 音楽教育を守る会 を参照)。そして私が注目したいのは(上記のリンク先にも示されていますが)先述した法目的です。音楽教室は(それだけが音楽教室の目的ではありませんが、)将来の音楽制作者や実演家を育成する場であり、それは文化の発展には不可欠と言えます。また音楽教室における音楽の利用は娯楽目的ではなく、教育目的であるため「公正な利用」となり、これらを踏まえれば演奏権侵害(=利用料の支払対象)にはならないと考えられます(とはいえこれは私の意見であり、法律のプロの中でも意見が別れてくるところなのでぜひ皆さんもそれぞれに考えてみてください〜)。

 

5、最後に

ネットでは批判の嵐、挙げ句の果てには「カスラック」とまで言われてしまうJASRACさんですが、結構音楽著作権に関しては重要な役割を担っています。なので「カス」とまで言われるのには流石に同情します。とはいえネットでは過去に「JASRACの職員が著作権の切れた音楽にまで金を請求してきやがった」なんて話が話題になりましたし、音楽業界がJASRACに苦言を呈したりと、JASRAC側にも問題があるのは確かでしょうし、ただ「法律」という一面だけでは捉えられない問題に発展しているともいえます。司法がどのような判断を下すのかも注目されますが、ただ「JASRACがクソ」とか言ってみる前に、多角的にいろいろ考えてみても面白いかもしれません。それが法律の面白さなんじゃないかって、ぼくは思います。